ケースレポート

紹介した症例は臨床症例の一部であり、全ての症例が同様ではありません。

効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意等につきましては、最新の添付文書をご参照ください。
全ての写真及び動画は患者さんご本人又はご家族の許可を得て掲載しています。

5歳4ヵ月で診断、5歳6ヵ月で治療開始した症例(Ⅲ型SMA)(治療開始2年11ヵ月後の報告)
大阪大学大学院医学系研究科小児科学 富永 康仁 先生

診断時年齢、性別

5歳4ヵ月、女児

出生歴

在胎40週2日、体重3068gで仮死なく出生した。羊水過多の指摘はなかったが、胎動は兄より微弱だった。

発達歴

3ヵ月齢:頸定、寝返り
5ヵ月齢:座位
10ヵ月齢:独歩
12ヵ月齢:単語
1歳6ヵ月:二語文

現病歴

【1歳6ヵ月】 健診で歩容異常を指摘され、小児整形外科を受診。股関節X線検査は異常なし、下腿X線検査で内旋を指摘されたが、2歳半で終診した。並行してリハビリを受けていたが、効果が低いとの指摘があった。
【3歳0ヵ月】 近医小児科より、歩行が稚拙、立ち上がりに時間がかかる、よく転ぶとの主訴にて当院紹介。

投与前所見

身体所見
身長:86.1cm、体重:12.2kg、頭囲:47.7cm

診察所見
顔貌:豊頬 軽度あり
口腔:高口蓋 軽度あり
胸部:心音 整、呼吸音 清
腹部:平坦・軟、肝脾腫なし
胸郭:変形なし
脊柱:側弯なし
四肢:関節可動域はやや広い

神経学的所見
舌の線維束性収縮(-)
Gowers徴候(+)
腱反射:上腕二頭筋 +/+、腕橈骨筋 +/+、膝蓋腱 ±/±、アキレス腱 ±/±、Babinski -

運動機能

<Gowers徴候(初診時)>

立ち上がる時に、足首、膝、大腿に掴まるGowers徴候が認められた。

投与前検査所見

血液検査
筋原性酵素(CK、アルドラーゼ)正常範囲

画像検査

胸部X線

心拡大は認められない。

脊柱X線

軽度のベル型胸郭、
軽度側弯/前弯を認めた。 

遺伝学的検査
SMN1遺伝子 エクソン7、8 ともに0コピー
SMN2遺伝子 エクソン7、8 ともに4コピー

診断

Ⅲ型SMA

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