SMAについて知る

SMAの自然歴

SMA患者さんの生命予後

脊髄性筋萎縮症(SMA)は乳児の遺伝性疾患による主要な死因であり、未治療のⅠ型SMA患者さんの生存期間の中央値は7.4ヵ月でした1

SMA患者さんの生存率(海外データ)1

対象・方法:1995~2010年に、survival motor neuron 1(SMN1)遺伝子の欠失が確認され、SMAと診断された患者70例を対象に、生命予後、発症年齢、歩行ステータスについて後方視的に検討した。

SMA患者さんの運動機能の推移

Ⅱ型又はⅢ型SMA患者さんでは、運動機能の経時的な低下が認められます2

平均追跡期間25ヵ月の試験において、試験期間中に、Ⅱ型SMAの2例とⅢ型SMAの1例が座位保持機能を喪失し、Ⅲ型SMAの5例が歩行機能を喪失しました2

拡大Hammersmith運動機能評価スケール※平均変化量の経時的推移(海外データ)2

※Hammersmith Functional Motor Scale-Expanded:HFMSE



対象・方法:19歳以前に、遺伝学的にⅡ型又はⅢ型SMAと診断された患者79例(Ⅱ型SMA41例、Ⅲ型SMA38例)を対象に、運動機能、呼吸機能、QOL、筋力などについて前方視的に検討した。

Ⅲa型SMA患者さんの約半数がおよそ10歳までに、
Ⅲb型(12歳未満発症)SMA患者さんの約半数がおよそ30歳までに歩行機能を喪失しています3

歩行機能を喪失したときの年齢(海外データ)3

また、Ⅲa型SMA患者さんの約半数がおよそ15歳までに、
Ⅲb型SMA患者さんの約半数がおよそ60歳までに立位保持機能を喪失しています 3

立位保持機能を喪失したときの年齢(海外データ)3

対象・方法:遺伝学的にⅠ~Ⅳ型SMAと診断された患者200例を組み入れ、座位保持機能、立位保持機能、歩行機能、自発呼吸機能などを喪失した年齢を調査した。

Ⅱa型:生後6ヵ月以降18ヵ月までに発症。座った姿勢を保てるが、立位保持、歩行はできない。
Ⅱb型:生後6ヵ月以降18ヵ月までに発症。座った姿勢を保てる、立位保持、歩行は介助すればできる。
Ⅲa型:生後18ヵ月以降3歳までに発症。歩行はできる。
Ⅲb型:3歳以降に発症。歩行はできる。
Ⅳ型 :30歳以降に発症。歩行はできる。

運動機能の維持とSMA患者さんのQOL4

Ⅱ型又はⅢ型SMA患者さんにおける運動機能の喪失は、QOLに大きな影響を及ぼします4

現在できているが、今後喪失したときにQOLに影響する運動機能(上位5位)(海外データ)4

最も維持したい運動機能(上位5位)(海外データ)4,†

†患者さんが最も維持したいと考える機能を優先順位の高いものから3つ選択し、順に1~3にランク付けし集計した。

Ⅱ型又はⅢ型SMA患者さんの97%は、治療によって、現在の運動機能を維持することを評価しました4

「現在の運動機能を維持することが、治療の進歩であることに同意しますか?」に対する回答(海外データ)4

対象:Ⅱ型又はⅢ型SMA患者822例(8~73歳)
方法:臨床医、研究者、介護者、患者によって作成された11問の質問票による調査を行い、SMAが患者のQOLに及ぼす影響を検討した。

文献

1. Farrar MA, et al.: J Pediatr. 2013;162(1):155-159.
2. Kaufmann P, et al.: Neurology. 2012;79(18):1889-1897.
3. Wadman RI, et al.: J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2017;88(4) :364-367.
4. Rouault F, et al.: Neuromuscul Disord. 2017; 27(5):428-438.

SPI-JPN-0481