SMAについて知る

SMAの治療・ケア

脊髄性筋萎縮症(SMA)は、病型及び個々の患者さんによって多様な臨床像や進行を示します。SMAに対しては、呼吸器、筋骨格系合併症に対する包括的ケアや栄養学的合併症のケアのほか、家族へのカウンセリングなどを行います。また、薬物療法も選択可能です。

SMAの薬物療法

薬物療法としては、2017年よりスピンラザによる治療が可能になりました。スピンラザは、SMAに対する疾患修飾薬です。スピンラザはsurvival motor neuron 2SMN2) mRNAをターゲットとするアンチセンスオリゴヌクレオチドで、完全長の機能性SMNタンパク質を増加させます。

スピンラザの作用機序

筋骨格系合併症のケア

脊柱側弯症はSMA患者さんの50%以上にみられ、多くの場合は歩行不能な場合に起こります1。これに対して、外科的矯正や姿勢サポート(装具など)が行われることがあります。側弯症例などの合併症の外科的矯正を実施するかどうかは、脊椎の弯曲や肺機能、骨の成熟度に基づいて判断されます1,2

呼吸器合併症のケア

呼吸機能障害は、SMAにおける合併症及び死亡の主な原因です。SMA患者さんは、呼吸機能の低下、肺の発育不良、咳嗽及び気道内の分泌物の排出困難を呈する場合があります1。呼吸サポートは、とくにⅠ型SMA患者さんのケアにおいて非常に重要です1
カフアシストやBiPAP(二相性陽圧換気)などの非侵襲的呼吸ケアと、気管内挿管や気管切開チューブなどの侵襲的呼吸ケアがあります1,2

栄養学的合併症のケア

SMAでは、咽頭・口の筋力低下による嚥下・摂食困難を生じる場合があり、誤嚥及び栄養不良のリスクが生じます。経口摂取が難しい場合には、経管栄養(経鼻・胃ろうチューブ)を検討します1,3

文献

1. Wang CH, et al; J Child Neurol. 2007;22(8):1027-1049.
2. Spinal Muscular Atrophy Clinical Research Center. Physical/occupational therapy. http://columbiasma.org/pt-ot.html. Updated March 14, 2013 Accessed April 6, 2018.
3. Tube Feeding and SMA: Recommendations and Practice. http://www.curesma.org/documents/support--care-documents/2015-conference-tube-feeding.pdf Accessed April 24, 2018.

SPI-JPN-0481