ケースレポート

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

本症例は治療開始26週後までの経過を既に公開しておりましたが、治療開始1年6ヵ月後までの経過を青色のハイライトと枠線にて掲載させていただきました。

4歳8ヵ月から治療開始したTPPV施行症例(Ⅰ型SMA)(治療開始1年6ヵ月後の報告)
東京女子医科大学医学部小児科 石垣 景子 先生

診断時年齢、性別

3ヵ月齢、男児

出生歴

36週で骨盤位のため、帝王切開で仮死なく出生した。出生体重2,562g。日齢7で特に問題なく退院した。

現病歴

【1ヵ月健診】異常の指摘はなく、四肢の動きもよかった。
【2ヵ月頃】四肢の動きが減り始め、気道分泌物が多く、時につまらせて呼吸困難となるようになった。喘鳴を認めるようになった。
【3ヵ月健診】筋緊張低下、未頸定を指摘され、他院紹介受診となった。I型SMAを疑われ、遺伝学的に確定した。
【4ヵ月齢】当科紹介受診となった。
【5ヵ月齢】誤嚥性肺炎をきたし、経鼻胃管、非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)を導入した。
【6ヵ月齢】気管切開下陽圧換気療法(TPPV)導入、胃瘻造設術を行った。

家族歴

神経筋疾患の家族歴なし

投与前所見

知能正常、発声によりコミュニケーション可能
右外斜視、眼球運動制限なし
舌の線維束性収縮あり、流涎が多い(持続吸引)
呼吸音:清、心音:純、腹部:特記すべきことなし

運動機能
全身筋緊張低下、蛙肢位、頸部回旋不可
可能な自動運動は、両手関節掌背屈、第2指MP伸展、足関節底背屈

投与前検査所見

運動機能
CHOP INTEND(Children’s Hospital of Philadelphia Infant Test of Neuromuscular Disorders):3点

画像検査
<骨格筋CT>四肢の筋萎縮著明

末梢神経伝導速度
<運動神経伝導検査>波形検出なし

遺伝学的検査
SMN1遺伝子欠失、SMN2遺伝子2コピー
NAIP遺伝子1コピー

診断

Ⅰ型SMA

スピンラザ髄注12mg
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉(抜粋)
3. 永続的な人工呼吸が導入された患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、定期的に有効性を評価し投与継続の可否を判断すること。効果が認められない場合には投与を中止すること。

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