ケースレポート

紹介した症例は臨床症例の一部であり、全ての症例が同様ではありません。

効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意等につきましては、最新の添付文書をご参照ください。
全ての写真及び動画は患者さんご本人又はご家族の許可を得て掲載しています。

11ヵ月齢で診断、1歳2ヵ月で治療開始した症例(Ⅰ型SMA)
(治療開始2年11ヵ月後の報告)​
大阪府立病院機構 大阪母子医療センター小児神経科 木水 友一 先生

診断時年齢、性別

11ヵ月齢、女児

出生歴

在胎40週6日、正常分娩で出生した。3012g

現病歴

周産期は問題なく生後から筋緊張低下があったが、4ヵ月健診での指摘なし。

【5ヵ月齢(発症)】 寝返りまで獲得も、以降は運動発達は緩徐。
【9ヵ月齢】 喃語はでるが、座位保持不可で近医受診。
【10ヵ月齢】 当院へ紹介となる。

家族歴

なし

発達歴

3ヵ月齢:頸定
5ヵ月齢:寝返り(ほか運動発達緩徐)
6ヵ月齢:喃語、単語不可
9ヵ月齢:座位保持不可、寝返り不可

投与前身体所見

身長 67.0cm(-0.5SD)、 体重6.4kg(0SD)
顔貌:異常なし
心音:整、心雑音なし
呼吸音:清、ラ音なし
腹部:平坦・軟、圧痛・腫瘤なし、グル音良好
腰仙部:陥凹なし

SD:標準偏差

投与前検査所見

神経学的所見
全身性緊張低下 スカーフ徴候(+)
heal to ear(+)
舌の線維束性収縮(-)、仮性肥大(-)
腱反射:膝蓋腱-/-、アキレス腱-/-
脳神経:確認できる範囲で異常所見なし

検査所見
血液一般検査:CK上昇など異常なし
髄液検査:異常なし
先天代謝異常スクリーニング(タンデムマス・有機酸・アミノ酸分析等):異常なし
筋CT:筋肉の萎縮のみ、変性なし
頭部MRI、脊髄造影MRI:異常なし
針筋電図:自発放電(-)

運動機能
HINEスコア:7点(投与前)

遺伝学的検査
SMN1遺伝子欠失、SMN2遺伝子2コピー、NAIP遺伝子欠失なし

診断

Ⅰ型SMA

スピンラザ髄注12mg
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉(抜粋)
3.永続的な人工呼吸が導入された患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、定期的に有効性を評価し投与継続の可否を判断すること。効果が認められない場合には投与を中止すること。

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