ケースレポート
紹介した症例は臨床症例の一部であり、全ての症例が同様ではありません。
効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意等につきましては、最新の添付文書をご参照ください。
全ての写真及び動画は患者さんご本人又はご家族の許可を得て掲載しています。
41日齢で診断し、55日齢で治療を開始した症例(Ⅰ型SMA)
北海道大学病院小児科 白石 秀明 先生
北海道大学病院小児科 白石 秀明 先生
診断時年齢、性別
41日齢、男児
出生歴
在胎41週0日、体重3,286g、経膣分娩で仮死なく出生。母親は胎動減少の自覚なし。
現病歴
【2週齢頃】両肘を屈曲させず両上肢伸展位となった。
【1ヵ月齢】健診時に筋緊張低下を指摘された。
【41日齢】当院を紹介受診し、脊髄性筋萎縮症(SMA)が強く疑われ即日入院した。
家族歴
特記事項なし、同胞なし
現症
奇異呼吸あり、筋緊張低下、四肢の自発運動に乏しい、特異顔貌なし、高口蓋なし、舌の線維束性収縮あり、眼球運動障害なし、深部腱反射消失
検査所見
血清CK:284IU/L
◉ 運動神経伝導検査
運動神経伝導速度:21.8m/s(正常平均32.3±3.6m/s)
Compound Muscle Action Potential(CMAP):415μV(正常 4mV前後)
感覚神経の異常なし
◉ 針筋電図検査
【左大腿】足底刺激による最大振幅:1.1mV、持続時間:5ms、干渉波形成なし
【右大腿】足底刺激による最大振幅:0.2mV、持続時間:max 8ms、一部多相性? 干渉波形成なし
◉ 遺伝学的検査
SMN1遺伝子欠失、SMN2遺伝子2コピー
診断
Ⅰ型SMA(41日齢で遺伝学的検査実施、48日齢で確定診断)
SPI-JPN-0530