ケースレポート

紹介した症例は臨床症例の一部であり、全ての症例が同様ではありません。

効能・効果、用法・用量、禁忌を含む使用上の注意等につきましては、最新の添付文書をご参照ください。
全ての写真及び動画は患者さんご本人又はご家族の許可を得て掲載しています。

46歳で発症し、71歳で治療開始した症例(Ⅳ型SMA)(治療開始1年3ヵ月後の報告)
信州大学医学部脳神経内科、リウマチ・膠原病内科 高曽根 健 先生

診断時年齢、性別

46歳、女性

現病歴

成長・発達において特記すべき異常なし。

【46歳】 立ち上がりや階段を上ることが困難になり、杖歩行となる。徐々に筋力低下の自覚が強くなる。
【51歳】 両側大腿の萎縮を自覚するようになり、ベッド上で自力での起き上がりが難しくなる。
【52歳】 筋力低下の精査目的に当科に入院、臨床的にSMAと診断。
【67歳】 車のアクセルとブレーキを踏みかえることが難しくなり、運転が困難になる。また、上肢が挙がらず、洗濯物を干すのが困難になる。
【71歳】 遺伝学的検査を実施、年齢及び検査結果からⅣ型SMAと確定診断。当院でスピンラザ治療開始。

家族歴

弟がⅢ型SMA、次女がⅠ型SMA

現症

【既往歴】2型糖尿病、高血圧
一般身体所見における特記事項なし。脳神経系の異常なし。構音障害や舌の線維束性収縮は認められない。
運動系は上肢帯と両側大腿の筋萎縮があり、四肢近位部優位に左右対称性の筋力低下が認められるが、腱反射亢進や病的反射はみられない。

検査所見

運動機能

HFMSE(Hammersmith Functional Motor Scale-Expanded):ー(推定36点)
10mTUG(Timed Up & Go Test):19秒

徒手筋力テスト(MMT)

神経学的検査
バビンスキー反射 -/-
チャドック反射 -/-

触覚・痛覚:正常、Romberg試験:陰性
指鼻試験:正常、膝踵試験:正常

開脚歩行でトレンデレンブルグ歩行

反射の評価

神経伝導検査

右の正中神経でF波の出現率の低下を認め、
下肢も出現率が低下していた。

針筋電図(三角筋)

針筋電図(三角筋)において、高振幅電位が
認められた。
経過の長い脱神経所見があり、
特に四肢近位筋で運動単位量の減少が著明だった。

遺伝学的検査
SMN1遺伝子欠失、SMN2遺伝子4コピー

診断

Ⅳ型SMA

スピンラザ髄注12mg
5. 効能・効果に関連する注意抜粋

    5.2  SMN2遺伝子のコピー数が1の患者及び4以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与を開始し、患者の状態を慎重に観察すること。


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